ある日、女岡っ引のお蝶は、七歳の少女が行方不明になるという事件に出くわす。さっそく探索に乗りだしたお蝶であったが、まもなく少女の亡骸が川で見つかり、事件は最悪の展開をむかえた。
難事件の予感を抱いた同心・坂本弥太夫は、亡骸の検死を蘭学西洋医である沢村伊織に依頼する。これまで数々の事件を解決に導いてきた伊織は、公式に幕府検屍官を命じられていたのだ。
懸命な捜査のすえ、少女の家族の秘密があらわとなり、伊織は大胆な奇策をもって下手人をあぶりだす。
そして、さらなる不可思議な事件に巻きこまれていく伊織であったが、どの殺しの裏にも、ときに哀しくときに滑稽な男女の闇が秘められていた……。
シリーズ第十九弾!