島津も、透も、おそらくは良も、愛にはぐくまれることを知らずにきた不幸な子供たちだった。愛を知らない孤独な魂だった。
(もう、俺は……孤独な魂のままではいない。――俺は、もう、愛することをためらわない。俺は……もう、愛されることをおそれない……)
俊一がいるから。
良や島津では得られなかった幸福感に戸惑いつつも、透は俊一に自分が変えられてゆくことを快く受け入れ始めていた――
既刊(1-50巻)
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東京サーガ<矢代俊一シリーズ>外伝36 BLACK ROSES