【指輪が、欲しいです】
ある日、高校時代の友人の結婚報告で仲良しグループが集まることになった。神楽を好きになったばかりのころ、とまどう佐代を励まし、アドバイスをくれた瑞樹もグループの一人。
ところが行ってみると瑞樹が来ていない。佐代が友人に尋ねると、最近ホテルの前で泣きながら男にすがる瑞樹を見かけた、という。夜遅く友人たちとの食事会から帰宅すると、神楽の部屋からうなされる声が聞こえてくる。
思わず声をかける佐代に「気分が悪かっただけ、大丈夫」とほほ笑む神楽。神楽は佐代から見えないところで苦しみながらも、一見二人は幸せだった。
神楽にクリスマスに欲しいものは?と聞かれた佐代は遠慮がちに「指輪が欲しい」と答える。イブの日まで出張に出かけた神楽をマンションで待ちながらクリスマスの飾りつけに勤しむ佐代。と、そこにインターフォンが響く。
ドアを開けて入ってきたのは神楽ではなく、神楽と似た面影を持つ別の男だった。つまりそれは―――。
分冊版40~42収録