試し読みの通りすがり
これは・・・!
通り過ぎるのを許してもらえない魅力があります!
漫画の中の勇者物というカテゴリーの開幕を、
通常はなんの不思議も抱かずにするっと通り抜けるのだけど、
本書では、異世界に息子とともに召喚されてしまったミホの、
肉親である母親としての言い分が、あまりにもごもっともで、
深く深く同意して、早くも彼女の応援団の一人になってしまった!(笑)
主要な魔物たちの生態も、異形でありながら、
その在り方(考え方・行動のパターン)が、
あまりにもヒトとよく似た存在として描かれているので、
このお話の中に、苦労も違和感もなくすんなりと溶け込める。
(擬似親子風の、ガロンとミホの関係が、
あまりにもいじらしくて微笑ましくて涙を誘う!)
人間軍より、ミホが所属している魔王軍の方に、
より肩入れしてお話は進行するが、
人間軍の勇者である最愛の息子との、
諮られた敵対関係を解決するために、きっとミホが、
二つの世界の和解の懸け橋となっていくだろうことは想像に難くない。
リアルな世界では、敵対関係の対象とのハピエンは困難だからこそ、
この漫画の中では納得できる良き大団円を迎えられることを、
母と子がわだかまりのない関係に戻れる日が来ることを、
心から待ち望みつつ応援したいと思っています。