------人は他人を完全に理解することなどできない。でも、あなたの傷が癒えるまで守ることはできる。心のギプスを求めるあなたへの物語。――あさのあつこ滑稽で醜い、むきだしの自分も、悪いものじゃない。そう心から感じさせてくれる物語に、初めて会いました。――彩瀬まる------間宮朔子はすべてをあきらめている。「若い女の子」の役割をまっとうするだけの職場、善良だが気が合わない実家の家族、なにより、なんの魅力もとりえもない自分のことを。無難にやり過ごしていた日常に飛び込んできたのは、中学の同級生・あさひの姉を名乗る女性だった。あさひがいなくなったので一緒に捜してほしいという。親友だったはずの彼女とは、ずっと連絡をとっていない。裏切られて、早く忘れてしまいたいのに、ふと思い浮かべてしまう存在――それがあさひだ。