「俺、言ったろ。守ってあげるって」貧しい身の上で育った祈と一希は幼い頃から互いを拠り所として生きていた。身を寄せ合いながら、ふたりは大人になっていく。――ただ、ただ、お互いがいれば。望みはそれだけなのに…。ささやかな幸せを望んでいるのに取り巻く環境はそれさえも許してくれない。ふたりの小さな世界に亀裂が走り、蝕むように不和が生じていく。冷たい世界の中心で、運命の歯車は思いもしない方向に動き出してしまうことに……?詳細