「都合ついたら、明日からでも出て来てくれないか」。林達夫に呼ばれて行った先にあったのは『細雪』の校正刷りだった――岩波書店と中央公論社で校正者として赤ペンを握ること三十有余年。伝説の校閲部部長が、誤植列伝から普遍的な校正の心構えまで、ユーモアたっぷりに綴る。新たなコラム三篇と新・校正練習問題を付す。〈解説〉牟田都子詳細