奴隷のお前が皇子だったなんて聞いてない!!社交界で“白薔薇”と称される麗しき公爵令息ルキーノ。その本性は猫っかぶりで見栄っ張り、奴隷に八つ当たりをするような主人だった。嫌悪しかない王太子に求婚され今夜も専属奴隷のジャミルに慰められている。「ジャミル……お前は一生私の奴隷だ!」唯一心を許せるのは、口のきけない専属奴隷のジャミル。彼だけが本当のルキーノを知っていて、他人との接触が苦手な主人の世話を丁寧にしてくれる。ルキーノにとってジャミルは、もう手放せない存在だった。しかしある夜、彼が“砂漠の帝国ジスハーンの皇子”だと明かされる。十年あまりも隷属させてきたルキーノは復讐を恐れ真っ青になるが……捕虜として囚われの身になった後も、ジャミルからの溺愛は相変わらずで――!?