誓いの言葉も、キスも、大したものではなかった。感情を表に出すのが苦手な伯爵令嬢・リスタロッテ。リスタロッテは結婚式の最中、過ぎ去りし日々のことを静かに思い返していた。――公爵令息・ハイエンスと出会った、あの日から。社交デビューの日。パーティに参加するも笑顔を作れず息苦しさから庭園へ逃げ出したリスタロッテ。他者とうまく接することができず、人と違う面がある自分自身の将来に不安を抱えていた時、一人の少年が声をかけてきた。「恋って、したことあるか?」恋も愛も必要としない「事務作業」としての婚約から始まる静かであたたかな、恋の物語。コミックス限定、描き下ろしエピソードを収録!