二十歳の青年司祭アドリアン。彼は死者の罪の告白を聞き、赦しを与える聴罪師である。村の領主の息子ピエモスが、見知らぬ少女を連れ、教会へとやって来た。少女は身の丈ほどもある剣を抱いている。ピエモスの話によれば、剣をどうしても離そうとしないのだという。アドリアンは少女の背後に死者の姿を見た。それは少女の手に剣を握らせる、謎多き女の霊だった……。
悲しき死者の魂の訴えを聞く『聴罪師アドリアン』シリーズ、第2弾。長編ファンタジー。
●吉田縁(よしだ・ゆかり)
名古屋市在住、みずがめ座、O型。1995年下期のコバルトノベル大賞佳作を受賞しデビュー。主に、西洋中世をモデルとした架空ファンタジーを執筆。代表作は『聴罪師アドリアン』シリーズ。趣味は手芸、多肉植物。