死者の告白を聴き、裁きを下す青年司祭アドリアン。彼はある夜、夢にうなされて目が覚めた。それは幼いころの苦い思い出だった。翌朝、典礼を終えたアドリアンは、マナとシェンという兄妹の姿が見えないことに気がつく。村の領主の息子ピエモスから、とある民家で鶏が盗まれたことを聞かされたアドリアンは、その民家がマナとシェンの家に近いこともあって、不穏な胸騒ぎを感じた……。
悲しき死者の魂の訴えを聞く『聴罪師アドリアン』シリーズ、第7弾。長編ファンタジー。
●吉田縁(よしだ・ゆかり)
名古屋市在住、みずがめ座、O型。1995年下期のコバルトノベル大賞佳作を受賞しデビュー。主に、西洋中世をモデルとした架空ファンタジーを執筆。代表作は『聴罪師アドリアン』シリーズ。趣味は手芸、多肉植物。