人の能力や装備の性能を底上げしたり、逆に低下させる支援魔術。
しかし、その魔法の多くはアイテムでも代替可能なものであり、非効率極まりないことから、『子守り魔術』として蔑まれていた。
かつて勇者パーティーの一員だったトールは、そんな不人気の支援魔術をヴェレン魔術大学で教えるヒラ教師だったが、ある日、自身を慕ってくれている女子生徒・レイナを助けたことがきっかけで、大学をクビになってしまう。
再就職の当てがないトールは、レイナに言われるがまま隣国のノイシュターデ帝国の帝都へと赴くが、皇女エレナによって宮廷魔術師として雇われることに。
「自分に宮廷魔術師を務める実力はない」
自身の能力を過小評価するトール。
しかし、彼の支援魔術は特別なものであり、また、レイナをはじめとする彼の教え子たちは、各地で偉業を成し遂げていて──
「せめて教え子の前では、格好良い自分でいたい」
トールはそう自分を奮い立たせ、無自覚ながらも最強の賢者として活躍していく。

