空っぽのわたしの体に、はぐれんぼちゃんたちが乗り込んでくれた
置き去りにされた衣服たちの場所を探す奇妙な旅がはじまる
芥川賞作家がおくる癒しと救済の物語
あさりクリーニング店で働く優子はある日、持ち主が引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」を持ち帰らされる。
翌朝目覚めると、その衣服たちが彼女の体を覆っていた。
優子はちぐはぐな姿のまま、服の持ち主を訪ね、彼らの帰るべき場所を求めて歩きはじめる。
芥川賞作家がおくる、癒しと救済の物語。
人はどうしてたくさんの服を所有したがるのか。必要以上の服を供給したがるのか。(略)この物語の本当の主役は、そんな過剰消費された衣服の一部である。クリーニング店に預けられたまま引き取られることなく置き去りにされた「はぐれんぼちゃん」とよばれる衣服たちだ。(略)「はぐれんぼちゃん」に、いつ誰がなるとも限らない。問題のある場所から逃れるだけでは根本的な解決にはならない。物語の終わりが、新しいはじまりになる。えもいわれぬ余韻が残った。
――東 直子(歌人・小説家)「解説」より
