【推薦】中沢新一さん「列島の北の果て、日本の奥の奥へとつながっている秋田は、一つの独自の宇宙をつくりなしてきた。そこを原郷とする写真論の思想家は、愛情をこめて、土地の細かな襞々を克明にたどり、忘れられかけた歴史の記憶を呼び覚ましながら、広大にして深々とした、魂の秋田ジオラマを描き出した。」**********古来、蝦夷と大和朝廷の境界に位置した秋田は、松尾芭蕉が『奥の細道』で辿り着いた北の到達点にして、日本海特有の哀愁を漂わせる、歌枕の聖地であった。北限の秋田。先は魑魅魍魎が跋扈する未開の地……しかし、「文明」の行き止まりとされたその地こそ、日本海以北の海を挟んで、大陸や島々の人々が行き交う北方民族たちの文化ネットワークへの玄関口であった。異国から来訪する「マレビト」が起動する文化変容。厳寒の雪国で洗練されていく精神と美意識。従来の枠を超えて美術/写真史を論じてきた美術史家が、故郷・秋田を歩きながら、その風土の深層へと分け入り、日本文化の底流にある異形の風景を鮮やかに現前させる。日本のもうひとつのルーツを解き明かす「裏日本史」。**********【目次]第①章 旅する光陰 ──その奥の奥の細道── ❶北限の岬 ❷循環する聖水 ❸松尾芭蕉と海に漂う島々 ❹集積する詩学 ❺旅に死すこと ❻旅人の秋田 ❼蝦夷島の影 蝦夷島の影 ❽アイヌとの交流 ❾旅を揺り動かす ➓フィールドワークの先駆者第②章 北海の彼方へ ──流刑地民族学の視点から── ❶日本海という孵化場 ❷秋田の登場 ❸渤海と粛慎 ❹樺太への道 ❺流刑地を延長する ❻流刑地民族学へ ❼鳥居龍蔵と源泉としての北方 ❽北緯40度ノート ❾心は淋しき旅人第③章 雪国の民俗 ──伝承の意味── ❶蘇る写真 ❷ナマハゲと梵天 ❸民俗学写真の精髄 ❹風と土を彫る ❺秋田パノラマを開く ❻雪国の衝動 ❼日本の奇跡 ❽トンネルの向こう側第④章 縄文の粒子 ──四次元の秋田── ❶岡本太郎の秋田 ❷馬と牛、縄文と弥生 ❸雪の結晶と遮光土器 ❹ドキュマンを探して ❺マルセル・モースの弟子たち ❻縄文とアイヌ ❼人種の波動 ❽蓑虫山人と縄文仮面 ❾ストーンサークルの秘密 ➓縄文のネットワーク ⓫四次元の秋田第⑤章 宇宙から降るデザイン ──雪の家から秋田工芸まで── ❶白井晟一の温泉建築 ❷郷土建築とモダニズム ❸風土をかたちに ❹白井晟一と縄文的なもの ❺今和次郎と雪との戦い ❻ペリアンのデザイン改革 ❼秋田から沖縄へ ❽木地師たちの光跡 ❾原型の夢 ➓宇宙へ降り積もってゆく第⑥章 秋田原郷 ──その風土と世界性── ❶故郷と幼年時代の思い出 ❷日本海の文物交流 ❸黒水靺鞨からナナイへ ❹ツングース系諸族のゆくえ ❺謎のオホーツク文化 ❻菅江真澄とブルーノ・タウト ❼冬を美的に解決する ❽カントの風土 ❾人間学と自然地理学 ➓「世界=故郷」を愛するということ第⑦章 秋田街道を超えて ──雪の果ての銀河── ❶宮沢賢治が歩いた秋田街道 ❷銀河と月光 ❸セールスマンの哀しみ ❹秋田蘭画への道 ❺漂泊の絵画 ❻角館の悲劇 ❼雪の涯の風葬 ❽組石からマタギへ ❾旅マタギと漂流民第⑧章 白い神々の憑依 ──オシラサマとシャーマニズム── ❶「秋田風俗問状答」とネフスキー ❷巫女のオシラ遊び ❸イタコの口寄せ ❹馬産と養蚕 ❺「遠野物語」から「捜神記」へ ❻アイヌ文化との関わり ❼オヒナサマを透視する ❽白山信仰の源流 ❾ツングース民族大移動 ➓稲と白山信仰 ⓫渡り神としてのオシラ様 ⓬シャーマニズムの本源第⑨章 春くる鬼 ──異人たちの饗宴── ❶折口信夫と蝟集する霊 ❷マレビトの変容 ❸鬼神と鬼門 ❹漂流する仮面 ❺島から半島へ ❻兄弟の半島 ❼日本海の龍神 ❽ホカヒビトとマレビト ❾流浪する神第⑩章 風の身体 ──土と光の記譜法── ❶天空の不夜城 ❷蝦夷から武士へ ❸踊る秋田 ❹闇から放たれた流星 ❺風土と神話 ❻亡者の舞踏 ❼黄金の穂波 ❽秋田の呪術師 ❾身体風土の記譜法**********
